イヌとネコは仲良く暮らせるのか??
子供のいない我が家で生活しているチワワのポルンは、ごはんの競争相手も甘える競争相手も無く、のうのうと暮らしていました。
そんなある日、年老いた一匹のネコがやってきたのです。
ミミは田舎の親戚が飼っていたメスのネコで、その親戚が亡くなった時に貰い手が見つからず、どうしたものかと困っていたところで動物好きの我が家が引き取ることになったのでした。
ただ、ずっと田舎で暮らしていたネコが急に東京に来たらどう思うのか、とか、高齢なので(16~17歳)田舎から都会までの移動時間を体力的に耐えられるのか、ポルンがいるのに大丈夫なのか、不安要素がてんこ盛りでした。
ですが、親戚が亡くなって人間が居なくなった広い家に一匹でいるうちに、ストレスでフケだらけになっているミミを見たら、あまりにも悲しくて、不安だからなんて言っていられなかった。
田舎でかかりつけの動物病院で、東京へ連れて行く故の事情を話して、ごはんの指導(サイエンスダイエットの病気用のごはん。腎臓ケアのk/d)や移動中に落ち着かせる薬など処方してもらい、車で東京に向かいました。
ケージに入っての長距離移動は初めてで、高速道路での移動中はずーっとナーナー鳴きっぱなし。
最初はサービスエリアでこまめに止まって様子を見ていましたが、後半はとにかく早く家に着くように走り通しました。
東京のマンションに着くと、一緒に持ってきたミミお気に入りの座椅子を普段使っていない和室に置き、ごはんやトイレ砂場も近くに設置して様子を見ました。
ミミを家に放すと、ちゃんと座椅子に居ついて、しばらくの間は和室に引きこもりになっていました。
むかし田舎にいた頃に遊びに行ったことがあったのですが、飼い主にしか懐かない子で、近づくと逃げてしまうのでちゃんと体をなでたりしたことはなかったと思います。なので引き取った後もしばらくは撫でることもできず…ネコ好きだから撫でたくてウズウズしてたんですが。
数日経つと慣れてきたのか、部屋をあちこち探検し始めました。
田舎の広い一軒家から東京のせまいマンションに来たので、窮屈な思いもしていたのでしょうが、もう老ネコだったのでジャンプして棚の上の物を落としたりカーテンに登ったりすることもなく、かといって人にすり寄ってくるでもないミミは、おだやかに暮らし始めました。しばらくして慣れてくると、ちゃんとなでさせてくれたり喉をゴロゴロ鳴らしてくれましたよ!
さて、ポルンとの初遭遇は、お互いに警戒しながら、わざと意識していない風をよそおって、まるで居ないかのようにすれ違ってました。
これから仲良くやってくれ~とポルンを無理やりミミに近づけると、ポルンの顔に猫パンチ一閃!鋭い爪の傷はつかなかったのですが、ポルンはさらにミミにおびえてしまいました…
寒い季節になってくると、リビングにストーブを出しました。
ポルンはイヌのくせに寒がりで、ストーブを出すと目の前の優先席に寝っころがるのですが、ミミもネコらしく暖かいところが好きなようで、ストーブの前まで来ます。
普段はお互い警戒して近づかないくせに、ストーブの前では仲良くならんで火にあたっていました。
そんなこんなで関心の無いイヌとネコ同士、平和に2年ほど暮らしていましたが、ミミの食欲が徐々に落ちてきて、さあこれから介護生活になるんだろうなと準備をしようとしていた矢先、天に召されていきました。
何の手もかからない、いい子でした。
田舎のかかりつけ病院では東京に行っても1年持たないんじゃないかと言われていたのに、こちらで2年も暮らせました。
僕が仕事先で、尿管結石で救急車に運ばれた事があったのですが、同じ時間帯でミミも具合が悪くなり大変だったという事件もありました。飼い主の健康とシンクロする事はまれにある事だと病院の先生はおっしゃってましたが、ちゃんとウチの家族になってくれていたんだなと感じました。